英国のジョンソン首相が7日、辞任を表明した。度重なる政権の不祥事に虚偽の説明をしたことなどが世論の批判を浴び、首相交代を求める声が与野党で強まっていた。英国の欧州連合(EU)離脱を主導し、ウクライナ支援に尽力したが、物価高への対応の遅れもあり、国民の怒りを買った。
7日昼過ぎに首相官邸前で会見したジョンソン氏は、与党保守党の意思で交代する考えを示し、「世界で最もすばらしい仕事を降りるのは残念だ」と述べた。世界的なインフレが進む経済状況下の首相交代は得策ではないと周囲を説得したが、聞き入れられなかった無念さもにじませた。
次期党首選びは同日から始まるとした。だが、英BBCは、ジョンソン氏が後任が決まる秋ごろまで、首相の座にとどまる意向を示していると伝えている。
不祥事とその後の対応が不信を招き、辞任に追いやられた。ジョンソン氏はコロナ対策で集会が禁じられていたロックダウン中に、官邸が開いたパーティーに自ら出席。警察の捜査で規則を破っていたことが判明し、罰金処分を受けた。この間の説明は二転三転し、逃げ腰の姿勢が不信感を増幅させた。
さらに最近も、痴漢行為を起…
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- 【視点】
古い話になるが、私がロンドン特派員だった21年前、ジャーナリストから保守党政治家に転身してイギリス総選挙に出馬したボリス・ジョンソン氏の選挙運動に半日、密着取材した。まさしくジョンソン氏本人がハンドルを握る車の助手席に乗せてもらい、英国では
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