「カツオ窃盗22年前から」焼津漁協元職員が証言 「ルーティンに」

小山裕一
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 焼津港で水揚げされた冷凍カツオが盗まれた事件で、窃盗罪に問われた焼津漁協職員(当時)ら5人への被告人質問が6日、静岡地裁(国井恒志裁判長)であった。漁協職員だった吉田稔被告(40)は「漁協に入った22年前から、窃盗があった」と述べ、漁協を舞台にしたカツオの抜き取りが長年続いていたと証言した。計量担当の時は、上司の指示で計量しなかったカツオをトラックに積み込んだことがあるという。

 市場の売り場係長になった2018年4月には、水産加工会社元社長の進藤一男被告(61)から「魚、何とかならないか」と頼まれ、「『無計量のカツオを用立てろ』という意味だ」と判断。「お小遣いがもらえるし、断りづらい」と窃盗に加担した。進藤被告からは「おまえの上司もやっていたから、大丈夫だ」と言われたという。

 「魚市場で窃盗が横行している」という匿名の投書が20年に漁協に届き、吉田被告も含めた4人が会議室に呼ばれたが、「正直に言えなかった」と語った。また、当時の上司から「こんなことはないよな」と言われ、「漁協は隠蔽(いんぺい)するつもりだ」と感じたという。

 係長になる前から「市場の売り場係の職員は金遣いが荒くなり、いい車に乗っているので、カツオの抜き取りはあると思っていた」と証言。窃盗については「悪いことだと思っていたが、いつものルーティンになっていた。申し訳ないと思っている」と答えた。(小山裕一)