コロナの次は物価高 「乱発」される予備費、国会の役割はどこへ

有料記事参院選2022

聞き手・駒野剛 聞き手 論説委員・五郎丸健一 編集委員・豊秀一
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 「コロナ対応」で兆円単位で積まれるようになり、今度は物価高対策にも使われ始めた国の予備費。政府の一存で使えてしまうお金の扱い方に浮かぶ、民主主義の課題とは。

国を壊す「乱脈」 戦時の教訓も 藤井裕久さん(元財務相)

 1955(昭和30)年に大蔵省(現・財務省)に入り、予算編成を担う主計局に勤めました。地方財政を担う主計官で退官して政治の道に飛び込んだ後も、大蔵政務次官、蔵相、財務相など政府の予算づくりの仕事を長くしてきました。ですが、予備費がこんなに巨額に積み上がり、そうした状態が長く続く事態は全く経験がありません。異常きわまりないことです。

 予備費とは「予見し難い予算の不足に充てるための経費で、予算成立後において歳出に計上された既定経費に不足を生じたり、又(また)は新規に経費が必要となった場合、その不足に充てるため、内閣の責任において支出できるもの」と財務省のホームページにも書いてあります。

 文字どおり、災害の発生などで当初予算に不足が生じたときの臨時の埋め合わせ分というべきもので、これまでは3千億円とか5千億円程度の規模でした。この数年の兆円単位、10兆円などという規模は、予備費の枠を超えた異常なものです。

 新型コロナウイルスの流行という未知の状況が生じたので、当初予算に臨機応変に使えるお金を積み上げたという理屈を立てたのかもしれませんが、補正予算で対応すれば済むことです。

 地方自治体には、コロナ対応に充てるためとして、予備費などから「地方創生臨時交付金」が支給されました。しかし、中には大きなイカのモニュメントをつくったり、結婚式のシャンパンタワーの経費や立派な公用車の購入費にあてたりと、本当にコロナ禍対策なのかと首をかしげざるを得ないケースも伝えられています。国会での事前チェックがなおざりにされた結果だと思います。

予備費が増え、色々なことに使われるようになっている弊害や、それを防ぐための手段にはどのようなものがあるのでしょうか。記事の後半では、元参院予算委調査室長の藤井亮二さんと、憲法学者の大西祥世さんに話を聞きました。

 かつて、「臨時軍事費特別会…

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