ナダル、激痛こらえて激闘制す 準決勝へ「今は分からない」の真意
ロンドン=遠田寛生
(6日、テニス・ウィンブルドン選手権男子シングルス準々決勝)
途中棄権するべきだ!
観客席に座り、すごい形相をしていた父親からそんな「指示」のジェスチャーが飛んだ。
テーラー・フリッツ(米)との一戦。第2セット第7ゲームが終わり、4―3とリードした後のことだ。
苦しそうな表情を浮かべながらコートをいったん離れた。足取りは重い。
主審からのアナウンスが場内に流れる。
「ラファエル・ナダル選手が、メディカルタイムアウトをとりました。ケガの程度を考え、処置はコートの外で行われています」
直前に下腹部をおさえながら顔をゆがめていた。異変は明らかだった。
しばらくして、ナダルはコート上に戻ってきた。場内には緊張感が漂う。
静かにラケットを手に取り、歩いて所定の位置についた。
試合再開。自然と温かい拍手がわき起こった。
ただ、本調子にはほど遠かった。
4回戦までの4試合で180…
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