尼崎市、個人情報アクセスのカード、運用実態把握せず USB問題で

中塚久美子
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 兵庫県尼崎市で全市民46万人の個人情報が入ったUSBメモリーを委託企業が一時紛失した問題で、市が長年、個人情報にアクセスできる業者側の社員の所属や業務内容を把握していなかったことが市への取材でわかった。委託企業側のミスやルール違反とともに、市側の管理態勢の不備も改めて浮き彫りになった。

 市から委託された情報システム大手「BIPROGY(ビプロジー)」(旧日本ユニシス)は、コールセンターなどの業務や印刷業務など内容ごとに少なくとも5社に再委託。USBメモリーを紛失したのはさらに委託された企業の男性社員だった。こうした多重委託の構造が、市の管理不備につながったと見られる。

 市が一部の再委託や再々委託について認識していなかったことや、USBメモリーを使って個人情報を移すなどの移管方法の詳細を把握していなかったことが判明。市の業務に20年以上携わってきた再々委託先の男性社員をビプロジーの社員だと思い込んでいたことなどもわかっている。

 市は今年度、個人情報を取り扱う市政情報センターの入室カードをビプロジーに23枚貸与していた。同センターには住民基本台帳や税金、国民健康保険に関する情報を集めたサーバーがあり、システムの修正や不具合が生じた際の対応を同社が担っている。この23枚のカードについても、同社は所属を明記していない使用者リストを市に提出。再々委託先の社員などもカードを使って入室していたが、市は実態を把握していなかった。

 市の担当者は「委託先がどのようにデータを移管するのか、もっと事前にすり合わせておくべきだった」と話している。中塚久美子