性風俗から抜け出したい 身体障害・知的障害・うつと生きる34歳

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高室杏子
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 障害とともに生きることに特別な感覚はなかった。34歳のしほさん(仮名)は、幼い頃の脳性まひで足に障害が残り、歩幅は小さい。一つ上の兄と五つ下の妹には知的障害がある。

 でも、こんなに「生きづらさ」を抱えた人生になるとは思っていなかった。

 北海道で生まれ育った。父はタクシー運転手、母は新聞配達をしていた。

 小学生のとき、新築の家に引っ越した。貧しい家庭という認識はなかった。

 でも、親は進学した定時制高校の学費は払ったものの、通学の定期代や携帯電話代は自分で出すようにと言った。

 両親の仲が良いとは言えず、目の前で繰り返される口論がもとで精神的に不安定になった。親には頼れない。自分で稼ぐしかないと思った。

 朝から食品工場やクリーニング工場でアルバイトをした。それだけでは足りなかった。

 知らない男性と電話で話し、性的な問いかけに答えるとお金をもらえると知ったのは18歳の頃だった。家でもできる仕事で、短時間で高収入を得られると考えた。

 でも、友だちには「気持ち悪い」と思われそうで、絶対に言えなかった。

「普通」ではなかった自分

 高校卒業後、しばらくして北海道を離れた。北陸にある携帯電話の部品工場で働き始めた。

 ところが、簡単な仕事のルールを覚えられず、緊張からミスを繰り返した。道具を元に戻すのを忘れたことで、「なぜ、できないのか」と上司に厳しく叱責(しっせき)された。

 そんな自分が嫌になった。「…

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