海外ファンドの「攻撃」に耐える日銀 国債の買い入れ過去最高に
江口英佑
日本銀行の国債買い入れ額が急増している。6月は約16兆2千億円と過去最高額となり、市場に出回る国債の半分を日銀が保有するという異常な状態になっている。急増の背景には、金融緩和の姿勢を崩さない日銀に挑戦するような海外投資家の動きがある。日銀が政策を変えなければ、国債保有額は今後も増え続ける見通しだ。
日銀が国債を大量に買わざるを得なくなっている状況を作っている主役とみられるのは、市場で国債売りを進める海外の投資家だ。
日銀は、住宅ローン金利など様々な金利に影響する長期金利が「0・25%程度」を超えないように、特定の利回りを指定して国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」を行っている。長期金利が0・25%を超える国債の取引は、日銀の買い入れ価格より低い価格で売買することになり、国債を売る側には損になる。このため、通常は起きないことだ。
それでも6月以降、市場では…