「暴力に屈せぬ」街頭に戻る党首ら 物価高、安全保障など最後の訴え

参院選2022

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 参院選の最終日を迎えた9日午前、各党首は最後の訴えに向けて動き出した。安倍晋三元首相が前日の選挙の演説中に銃撃され死亡した事件を受け、一度は多くの政党が取りやめた街頭での活動を再開する。事件の衝撃がさめやらぬ中、10日の投開票に向け、参院選で問われる論点を訴えた。

 自民党総裁岸田文雄首相は9日午前11時ごろ、山梨県富士吉田市で街頭演説に立ち、「事件を受けて街頭の遊説を中止にした方がいいのではという人もいた。しかし、現職の日本の首相として、安倍元首相の思いをしっかり受け止め、民主主義を守るためには参院選を自由で公正で安全な形で完結させる責任が、私にはある」と語った。

 事件直後は遊説先の山形県から急きょ帰京し、閣僚も演説を取りやめたが、警備・警護を強化した上で再開した。首相周辺によると、演説後の聴衆とのグータッチは見送るという。自民党幹部も演説を再開している。

 立憲民主党泉健太代表は福島市内で活動を再開。「選挙運動をどうすべきか考え続けた」としたうえで「政治家はいま、覚悟をもって、この場所に立っている」と語った。そのうえで「政権は物価の値上がりに向き合っていない。消費税を下げなければならない。失われた30年という大きな政治の流れに答えを出す参院選じゃないといけない」と政策を訴えた。

 事件直後、すべての遊説を取りやめた公明党山口那津男代表は川崎市で街頭演説に立った。「暴力には断じて屈しない。参院選をやり抜きたいという思いで街頭で訴える」としたうえで「物価高のなかで、これをどう乗り越えるかが最大の有権者の関心ごとだ」と訴えた。

 日本維新の会松井一郎代表は京都府亀岡市で午前11時にマイクを握り「みなさんから政策を選んでもらうのが選挙だ。その権利をみなさんが有している。維新は何を訴えているのか。日本の今の行政のあり方だ。今の構造を改革しなければならない」と語った。

 共産党志位和夫委員長はさいたま市で演説。冒頭、「軍事費を2倍にしていいかが大争点。今、日本がなすべきは危険な道ではなく外交の力で東アジアに平和をつくる外交戦略ではないか。財源も争点だ」と訴えた。

 国民民主党玉木雄一郎代表は川崎市で演説し「給料を上げる、国を守る。根っこのところでは安倍元首相が描く日本の姿と、私はそう変わらない。給料があがる経済を取り戻すことはすべての政治家の責任だ」と語った。

 れいわ新選組山本太郎代表は東京都内で昼から演説を再開予定。社民党福島瑞穂党首神奈川県内で演説し「世界から日本から、戦争が暴力がなくなっていくように頑張る」と訴えた。NHK党立花孝志党首は、当初、ネットだけで活動するとしていたが、街頭での訴えを行う。

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