まるで古代遺跡 11連アーチ続く「幻の橋」、その魅力とは
中沢滋人
【動画】〝幻の橋〟今年も11連アーチお目見え=中沢滋人撮影
ダム湖の水位変化で見え隠れするため、「幻の橋」と呼ばれる旧国鉄士幌線「タウシュベツ川橋梁(きょうりょう)」(北海道上士幌町)。「崩落間近」と呼ばれて久しく、目に見えて劣化が進んでいたが、今年も無事、11連のアーチを維持したまま、観光シーズンを迎えている。この前の冬は例年以上に厳しい環境だっただけに、「いよいよ最後か」と気をもんでいた地元関係者は安堵(あんど)している。
7月6日早朝、NPO法人「ひがし大雪自然ガイドセンター」の見学ツアーに参加した。
許可制の林道を通り、ワゴン車で糠平湖のほとりまで送ってもらう。木のトンネルのような士幌線跡をしばし歩いて湖岸に出ると、風でさざ波が立つ湖面に、橋脚を半分程度水に浸したタウシュベツ川橋梁が現れた。
「いつ崩れても……」
たたずむ姿は、まるで古代ローマの水道橋跡のようだった。
全長約130メートル、高さ…
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