関東第一の主将が宣誓「この瞬間大切に」 高校野球の東西東京大会

本多由佳 狩野浩平 滝沢貴大
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(9日、高校野球東東京・西東京大会開会式)

 刻一刻と流れるこの瞬間を大切に――。選手宣誓を務めたのは、今春の東京都大会を制した関東第一(東東京)の秋葉皓介(こうすけ)主将(3年)。新型コロナウイルスの感染拡大をはじめ、国内外で様々な問題が起こるなか、この一瞬を大事にしたいという思いをこの一文で表現した。

 2020年春の入学当初からコロナ禍に直面した。部活動が始まったのは同年6月から。だからこそ、「1日1日を大切にしないといけないと思った」。

 今年は日本に野球が伝来して150年。この間、戦争や大災害が起こったが、野球は今もプレーされ続けている。「先輩たちは野球ができないという苦難を乗り越え、野球の素晴らしさを伝えてきた」と感謝し、次の1ページは自分たちが切り開いていく決意を込めた。「高校野球に新たな熱い歴史を刻むことを、ここに誓います」(本多由佳)

司会は日大二の菅野さんと明星の船山さん

 開会式の司会を務めたのは、日大二のマネジャー菅野こころさん(3年)と、明星のマネジャー船山実花(みはな)さん(同)の2人。グラウンドに立ち、堂々と進行した。菅野さんは神宮球場を見渡して、「選手はすごいところでプレーしているんだな」と圧倒された。本番で緊張しないよう、選手や関係者の名前の発音を繰り返し練習したという。船山さんは選手へのエールを込め、丁寧に言葉を発しようと心がけた。「コロナ禍で思うようにできなかったこともあると思う。だからこそ、悔いなくプレーしてほしい」と話した。(狩野浩平)

国立音大付の小沢さん、津田さんが独唱

 国歌と大会歌「栄冠は君に輝く」は国立音大付音楽科の小沢花音(かのん)さん(3年)と津田茜(あかね)さん(同)がそれぞれ独唱。伸びやかな歌声が球場に響き渡った。

 小沢さんは白いワンピース姿。楽しみにしていた祖母が先日亡くなり、「祖母にも届くように」という思いで臨んだ。「歌を通して勇気や元気、希望を与えようと気持ちを込めた」

 津田さんは紺のワンピース姿で歌った。例年は1番だけだが、今年は3番まで。「いっぱい人がいるなかで、栄冠は一人一人の『君』に輝くと伝わるように歌った」と振り返った。(滝沢貴大)

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