プロダンサーに学んだ14人のチア、初舞台は「宝物」 茨城・土浦二

[PR]

 第104回全国高校野球選手権茨城大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)が9日、水戸市のノーブルホームスタジアム水戸など5球場で開幕し、1回戦10試合があった。八千代と鹿島は延長14回の熱戦。今大会初のタイブレークの末、鹿島が勝った。東洋大牛久は土浦一に競り勝った。10日は5球場で1回戦11試合がある。

 9日に開幕した高校野球茨城大会の球場に、チアリーダーやブラスバンド、応援団が戻ってきた。新型コロナウイルス禍で禁じられてきたが、県高校野球連盟が慎重に検討した結果、3年ぶりに解禁された。大舞台を心待ちにしていた生徒たちは、スタンドでの応援に思いをぶつけた。

 青いポンポンが揺れる。ノーブルスタ水戸で茨城と戦った土浦二の応援席。創作舞踊部の1、2年生計14人はそろいの衣装に身を包み、踊り続けた。額の汗が光る。コロナ対策で声は出さないルールだが、吹奏楽の演奏にピタリと動きを合わせ、笑顔も振りまいた。

 14人にとって、これは初の大舞台と言っていい。

 コロナ禍のなか入学し、内輪向けの発表会はあっても、公の場で踊ったことはない。キャプテンの倉崎彩香さん(2年)=かすみがうら市=は、それがとても寂しかった。それでも、球場での応援が決まると不安に。準備期間は約1カ月。3年生の引退直後で、自分たちで何とかしないといけない。仲間とぶつかることもあった。一体、どうしたら――。

 支えたのは、日米の大学でダンスを学んだ、プロダンサーで土浦二の常勤講師の山口悠起子さん(29)=土浦市=だ。米国留学時代には、アメフトや野球などの試合でチアダンスも踊っていた。2017年以降、断続的に同校に勤務し、ダンス指導もしてきた。6月からまた、同校に着任し、時間が限られるなか、振り付けから歩き方、あいさつに至るまで、指導を重ねた。

 土浦二は7回コールドで負けた。14人は両校が一礼を交わす間、直立不動で選手たちを見つめていた。その視線の先の一人、エースの池田仁君(3年)=土浦市=は「チアのみんなも汗をかいて練習してくれていた。去年と全然違い、チアやブラスバンドがあって、すごく励みになった」と振り返る。

 試合後、山口さんは14人にこう語りかけた。「14人でやりきって楽しめたら、みんなにとって宝物になる」

 倉崎さんは、思いを新たにしている。「いろんな方に支えてもらって、今日はみんなが一つになれた。だから、また頑張れると思います」(池田敦彦)