高校野球千葉大会が開幕 3年ぶりの有観客開会式に3千人

上保晃平 宮坂奈津 近藤咲子
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 3年ぶりに全試合有観客となる第104回全国高校野球選手権千葉大会が9日、開幕した。ZOZOマリンスタジアム(千葉市)での開会式と開幕戦では計約3800枚のチケットが売れ、大勢がスタンドから選手たちの入場行進や熱戦を見守った。決勝は26日の予定。甲子園出場をかけた球児の夏が始まった。

 開会式では、168校153チームの選手ら約3千人が入場行進し、スタンドからは約3千人の観客が手拍子を送った。

 開会式の有観客開催も3年ぶり。新型コロナウイルス対策で、入場行進の際は習志野吹奏楽部の事前録音した演奏が流された。八千代松陰合唱部による事前録音の合唱も流れた。

 県高野連の早川貴英会長は、開会式に3年ぶりに戻ってきた観客からわいた手拍子に、「グラウンドの選手とスタンドが一体となる、高校野球のすばらしさを改めて実感している」と話した。選手には「コロナ禍で普通の学校生活も送れない中、君たちは懸命に野球に取り組んできた。自分や仲間を信じ、力の限りを尽くした最高のプレーを期待している」と呼びかけた。

 朝日新聞社の松田京平・千葉総局長は、高校時代に県内で白球を追った長嶋茂雄さんがかつて球児に送った言葉「快打洗心」に触れ、「ひたむきなプレー一つ一つが皆さんの人生の糧となり、家族や恩師、多くの人の心を打つ」とあいさつした。

 千葉東と四街道の開幕戦の始球式には、熊谷俊人知事が白いポロシャツ姿でマウンドへ。左投げでストライクを決めた。式後、観客やブラスバンドが戻ってきたことに触れ、「応援を背に実力以上のものを出し切って良い試合をしてほしい」と話した。

 開幕戦では、千葉東側の応援席にブラスバンドが入ったほか、四街道は太鼓とメガホンで対抗。コロナ対策で声援は今大会禁止だが、球場ににぎやかさが戻った。(上保晃平 宮坂奈津 近藤咲子)

開幕試合

 開幕試合は四街道が投打で千葉東を上回り、7―0で7回コールド勝ちした。

 四街道はエース鶴岡が130キロ台前半の直球に変化球を織り交ぜ、6回途中まで7奪三振、被安打2に抑えた。打線は四回、鶴岡の適時打で先制。五回は足立の二塁打、六回は鶴岡の適時二塁打、七回は吉田の適時三塁打と長打が続いた。

 千葉東は2年生エース小林が制球に苦しみながらも粘投。三回の先制の好機で三本間での挟殺が響いた。

プラカード行進 先輩の分も 植草学園大付

 開会式の入場行進で、各チームの校名が入ったプラカードを掲げ、選手の先導役を果たしたのは、植草学園大付の女子生徒約190人だ。

 1992年から続く同校の行事だが、2020、21年は実施されなかった。バトントワリング部部長の貞島芽依さん(3年)は、この機会がなく卒業した先輩から「この学校でしかできない経験。楽しんで」と思いを託されていた。

 山崎叶夢さん(1年)は、同校卒業生の2人の姉に続き、自分もプラカードを持ちたいと思い、入学したという。姉からは「笑顔で、あいさつをしっかり」とアドバイスをうけ、この日も笑顔でプラカードを高々と掲げた。

千葉黎明 マネジャー・佐藤琉偉さん

 選手入場の先導役は千葉黎明の佐藤琉偉さん(3年)が務めた。進行方向をまっすぐ見据え、腕を大きく振って堂々と行進した。

 元々は外野手としてプレーしていたが、「チームの役に立ちたい」と4月にマネジャーに転向。今大会では記録員としてベンチ入りする。式後、「胸を張ってかっこよく歩くよう心がけた。緊張したけど、貴重な経験ができました」と笑顔で話した。

「野球ができることに感謝」 薬園台・遠山楓人主将(3年)の選手宣誓

 「野球ができることへの感謝と野球文化を継承していく使命を胸に熱い夏を戦い抜くことを誓います」。薬園台の遠山楓人主将(3年)の選手宣誓に、会場から大きな拍手が起こった。

 緊張しやすい性格。選手宣誓役に決まった組み合わせ抽選会では「どうしよう」と不安も口にしていた。声に出して読んだり、家族に聞かせたりして練習を重ね、家族からは「観客は野菜だと思って」と緊張しないためのアドバイスももらった。

 本番はゆっくり話すよう心がけ、練習がままならないコロナ禍の中で支えてくれた先生や両親への感謝を込めた。式後、「思ったより緊張せず、無事にやり遂げられた」とほっとした表情を見せた。

メイン司会「良い経験に」「すごく緊張」 検見川3年の菊地敢太さんと草野花音さん

 開会式でメイン司会を務めたのは検見川3年の菊地敢太さんと草野花音さん。海の近くで発声練習をするなどして今日を迎えたという菊地さんは、「多くの人がいる中で自分の声を届けられた。人生で一度あるかないかの良い経験になった」。草野さんは硬い読みにならないように笑顔で大きな声を出すことに気をつけたといい、「いつもより人数が違う。すごく緊張したが、たくさんの拍手が聞こえました」と楽しんだ。