捕手経験3カ月の1年生、満塁のピンチ切り抜けた 「来年に生かす」

谷瞳児
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(10日、高校野球香川大会1回戦 志度6―0琴平)

 5点リードされて迎えた八回表。2死満塁のピンチ。さらに失点を重ねれば、コールド負けの可能性も見えてくる。

 琴平の内野陣がマウンドに集まった。「落ち着いて、しっかり腕振っていこう」。捕手の大西虹輝君(1年)が、エース清水煌雅(こうが)君(3年)に声をかけた。直後の打者を内野ゴロに打ち取り、切り抜けた。

 先発でマスクをかぶった大西君だが、高校入学まで捕手経験がなかった。入部後、監督に強肩を買われて捕手転向を勧められたが、最初は投球を受けることもままならなかった。夏の大会が迫る中、毎日全体練習後に捕手の基礎を繰り返し体にたたき込んだ。

 この日は落ち着いたリードで捕球エラーもなし。春季大会で3試合25得点の志度を6点で抑えた。ただ試合後、好機で中飛に倒れ、最後の打者となったことに悔しさをにじませた。

 「3年生につなげなかったことが悔しい。この経験を忘れず、来年以降に生かしたい」。声を震わせながら、前を向いた。(谷瞳児)