星稜が初戦コールド発進 交代に次ぐ交代…新監督は名将の長男
(10日、高校野球石川大会 星稜10―0金沢商)
今春の選抜大会8強の星稜が、初戦となる2回戦で金沢商に5回コールドで快勝した。
11年間にわたって監督を務め、2019年夏の第101回全国選手権では準優勝に導いた林和成氏(46)が選抜後に退任した。
後任として星稜中学校野球部の監督だった田中辰治氏が就任したが、5月下旬から体調不良のため療養中という。
代わって、山下智将(としまさ)部長(40)が今夏は監督を務めることになった。山下部長は、星稜を強豪に育て上げた山下智茂・元監督(77)の長男だ。
短期間に2度の監督交代を経て夏の初戦を迎えたが、選抜で甲子園の舞台を経験した選手たちは、たくましかった。
春の県大会2回戦で5―4と苦戦した金沢商を相手に、二回に6連打など打者一巡で5点を挙げると、相手投手の乱調にもつけ込んで四、五回にも加点した。
先発のマーガード真偉輝キアン(3年)は一回に2四死球を与えたが、変化球主体の投球で調子を上げた。
二~五回は一人の走者も許さず、5回参考ながら無安打無得点試合を記録した。
山下監督は「選手たちは試合前ノックの時は硬さがあったが、普段通りやろうぜと声をかけた」。
監督交代の影響について問われると、「実際にプレーするのは生徒たちですから。彼らが持っている力を十分発揮できるようにしたい」と話した。
昨夏の石川大会は8強まで進みながら、新型コロナの影響で辞退した。
その分、この夏にかける選手たちの思いは強い。
マーガードは「悔しさを晴らしたいし、応援に来てくれる先輩方に成長した姿を見せたい」と言った。(編集委員・稲崎航一)
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