バイデン米大統領が13~16日、就任後初めての中東外遊でイスラエル、パレスチナ、サウジアラビアを歴訪する。サウジ人記者殺害事件をめぐって関係が悪化したサウジの皇太子とどう向き合うのかが焦点だ。トランプ前政権が進めたアラブ諸国とイスラエルの和平機運への対応も注目される。(ワシントン=清宮涼、下司佳代子、エルサレム=高久潤、ドバイ=伊藤喜之)
「私はムハンマド皇太子に会いに行くのではない。国際会議に出席し、彼はその一部だ」。バイデン氏は先月17日、記者団に述べ、サウジの実力者ムハンマド皇太子との面会が訪問の目的ではないと強調した。
今月7日、ホワイトハウスは、バイデン氏がサウジのサルマン国王と会談し、ムハンマド皇太子も同席すると発表した。米サウジ間で、会談の形式をめぐって駆け引きが続いていた可能性もある。
両者の関係が冷え込むきっかけは、2018年にトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館でサウジ人記者のジャマル・カショギ氏が殺害された事件だった。
■根強いサウジ記者殺害事件へ…