「テロ」と呼ぶべきか 恐怖による過剰反応が破壊する民主主義

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聞き手 編集委員・塩倉裕
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 安倍晋三元首相が街頭で銃撃され死亡した事件を「テロ」と呼ぶべきなのか。そして、犯行は民主主義を破壊しようとする行為だったのか。事件の動機や背景がまだよく見えないこともあって、人々の見方は揺れている。「キーワードは恐怖です」と語るテロ研究者の宮坂直史・防衛大学校教授に聞いてみた。

宮坂直史さん(防衛大学校教授)

 ――元首相が銃撃されたという初報に触れた瞬間、多くの人が「テロだ」と思いました。テロを研究してきた立場から、この反応をどう見ますか。

 「有名政治家が公衆の面前で撃たれたという情報に触れた人が『テロだ』と思うのは自然の反応であり、理解できます」

 ――テロリズムの語源は「恐怖」ですよね。そもそも、テロとは何を指すのでしょう。

 「テロとは政治的な目的を持…

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2022年7月13日10時27分 投稿
    【視点】

    「テロと一般犯罪の境界があいまいであること」および「要人暗殺は未遂も含めて1%未満」という二点を学ばせていただいた。 とくに前者の「テロと一般犯罪の境界はあいまい」は、今回の事件が、特殊なものではないことを示している。犯行への非難とは

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2022年7月13日8時7分 投稿
    【視点】

    私は自分の記事で今回の事件をあえて「テロ」と書いています。言葉は記者の命なので、慎重に選んだ上です。テロとは自由な言論を脅かす行為であり、今回の事件はそれにあたると考えるからです。  容疑者の男性はそんなことを考えなかったかもしれませ