春日部共栄エース、試行錯誤したフォーム 昌平相手に内角攻め続ける
「ふぅ」と一息はいて、しばらくサインを見る。スムーズな体重移動から力強いストレートを投げると、捕手のグラブがズトンと音を上げた。
六回、連打で2点を失った場面でも、春日部共栄の広瀬凜人(3年)は昌平の強力打線を相手に内角を攻め続けた。マウンドでの表情は硬いが、ベンチに戻ると、くしゃっと表情を崩す。
広瀬には自信があった。
大会前の練習試合。春の選抜大会を制した大阪桐蔭に2イニングを無失点に抑えた。「怖いものはなかった」
小学、中学でもずっとエースだ。春日部共栄に入ってからも、1年からベンチに入っていた。投球フォームは、自主練習の時間や試合で様々な形を試しながら、作りあげた。「場数だけは踏んでいる」。投げながら、自信を深めた。
頭が動かないように固定することを意識したフォームはムチのようにしなやか。六回途中まで79球を投げて被安打10を浴びたが、試合後は「やりきった」。充実感が漂っていた。本多利治監督も「今までで一番良い投球をしていた」とねぎらった。
大学でも野球を続け、フォームをさらに磨いていくつもりだ。(仙道洸)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら