鹿屋中央、シードの鹿児島玉龍に勝利 2年生の郡山君、投打で活躍

仙崎信一 小西宏幸
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 第104回全国高校野球選手権鹿児島大会は11日も2回戦があった。鹿児島商、奄美などが勝ち上がり、第7シード鹿児島玉龍がノーシードの強豪校、鹿屋中央に敗れた。

 ◇鹿児島情報2―5鹿児島商

 鹿児島情報の左腕、盛海童投手(3年)はゆったりとしたフォームから切れのあるボールを投げ込む。「鹿商は強打者ぞろい。コーナーを丁寧に」。1点を失ったが、中盤まで投手戦を演じた。

 七回、味方が同点に追い付いた。ここが踏ん張りどころだったが、その裏、1死二塁で安打を打たれ、勝ち越しを許した。

 春先、練習姿勢の欠如から「エースの自覚が足りない」と背番号10に。気持ちを入れ直し、5月のNHK旗では再び背番号1を取り戻した。この大会で鹿児島商を破って勢いに乗り、4強まで登りつめた。

 しかし、「慢心というか、ベスト4で満足してしまった」と盛投手。自身やチームの調子が上がらないまま迎えた今大会だった。

 終わってみれば5失点。「NHK旗の時より相手の打力が上がっていた」。力を発揮できないまま、夏が終わった。

 ◇鹿屋中央5―3鹿児島玉龍

 ノーシードの鹿屋中央が第7シードの鹿児島玉龍を下した。一回裏、2点を奪われ、なお2死満塁でマウンドを引き継いだのは左腕の郡山一心投手(2年)。「いつでもいけるよう準備していた」と、ピンチを空振り三振で切り抜けた。

 三回表には同点に追いつく安打を放ち、振り出しに戻した。昨夏は第1シードで、ベスト8。「自分たちはチャレンジャー。四球を出しても、切り替えて集中できた」と鹿児島玉龍打線を被安打4でおさえた。

 山本信也監督は「相手とは五分五分と思っていた。郡山が投げても打っても、よくやってくれた。最高の出来だった」とたたえた。ノーシードの今大会は「昨夏と違ってプレッシャーがない。先のことを考えず、一戦必勝で勝ち進みたい」。

 敗れた鹿児島玉龍の谷口裕司監督は「チームとしてはやれることはやった。今日は相手のバッテリーを中心とした守備陣の気持ちが上回っていた」と話した。

 ◇頴娃1―2奄美

 同じ島の球児として負けられない……。奄美が今夏注目の頴娃を破った。八回裏に逆転打を放った久志歩夢主将(3年)は「大島が勝ちあがっていたので自分たちも、と思っていた」。部員は11人しかいないが、地道に練習をこなしてきた。

 スタンドには、同じ中学の野球部で汗を流した大島の部員も応援に駆けつけた。地区大会でも顔を合わせる両校。大島の武田涼雅主将(同)は「最後まであきらめない気持ちが見え、自分たちも頑張らないと、と刺激を受けた」と話していた。(仙崎信一、小西宏幸)

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