花火よりも「すごい!?」夜空の演出 SNS投稿殺到で広告効果
日が落ちた横浜市のみなとみらいに、七色の光が浮き上がった。
「何あれ?」
「すごーい!」
「きれい!」
観客から歓声が上がる。
正体は、LEDライトが取り付けられたドローン500機。6月2日、開港記念日を祝う横浜開港祭で催された「ナイトドローンショー」の一幕だ。
上空の高さ150メートル、幅100メートルにわたって、軽快な音楽をバックにドローンが編隊飛行する。
隊列がバラバラと崩れ、夜空をキャンバスに、回転する地球やバラ、羽ばたく鳥、海面から飛び出すクジラなど様々な絵柄が描かれていく。
まるでアニメーションを見ているかのようで、変化するごとに会場からはため息が漏れた。
手がけたのは、ドローンを使った演出や撮影を企画する「レッドクリフ」(東京都新宿区)。ドローンは自動飛行するようプログラミングされ、パソコン1台で操作される。
運営を請け負って約2カ月かけて準備を進めた目玉のイベントだった。終了直後には、SNS上に多数の動画や写真が投稿され、話題をさらった。
巨大イベントから小規模まで
夜空にドローンを飛ばし、色とりどりに輝くメッセージやデザインを描く光の演出が各地で広がっている。昨年に東京五輪の開会式で注目されたが、最近では地域のイベントや祭りでも企画され、身近になってきた。ユニークな「手作りイベント」として企画する例もある。
少子化による統合で年度末の閉校を控えた埼玉県小川町の町立東小川小学校が3月末、地域住民を交え、「光の思い出ドローンショー」と銘打ったイベントを開いた。
ドローン64機で、夜空に子ども同士が肩を組むシルエットや大玉転がし、校内で飼われたチョウの羽ばたく様子など同校にまつわる思い出を表現。最後は「アリガトウ」で締めた。
NTTドコモが企画し、金沢市の運営会社「ドローンショー」がドローンの操縦を担当した。開催3カ月前から全校児童65人が絵柄やメッセージなどのアイデアを持ち合い、動画アニメに落とし込んだ。当時の校長、須郷聖子さん(57)は「子どもたちだけでなく、外部の人も一緒に作り上げていく過程は思い出としてかけがえのない宝物になった」と振り返った。
記事の後半では、海外の事例とともに、ビジネス面での可能性や課題をまとめました。
ふるさと納税に活用も
こうしたドローンイベントをビジネスにつなげようとする動きも活発だ。
レッドクリフ社は2月、広告…