土壇場で「最高の主将」が見せた好プレー 勢いづいた花巻北の同点劇

奈良美里
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 11日、高校野球岩手大会1回戦、花巻北2―3水沢

 2点を追う九回。試合を動かしたのは、頼れる主将の一振りだった。

 「自分の結果よりも、なんとか出塁したい」。先頭打者として打席に立った花巻北の菊地凌平主将(3年)は、外角のスライダーを右翼に流して出塁した。その後、二盗に成功。チャンスをつくる好プレーの連続に、ベンチはわき上がった。さらに、打線に2安打が出て、同点に追いついて延長戦へと持ち込んだ。

 いいプレーをしたら、みんなで盛り上がり、次につなげる。選手たちが大切にしてきたことだ。

 つらい練習も、支え合い、励まし合ってきた。たとえば、冬場のシャトルラン。往復のたびに間隔をのばし、最長で塁間ほどの長さを走る。厳しい練習だったが、足腰が鍛えられるとともに、一緒に乗り越えたことでチームワークがよくなっていった。

 同級生の畠山海翔投手は「凌平は、代表して監督に怒られたときにも、1人ですねたりしない。みんなに声をかけて、チームをよくしようとしてくれる」と話す。「最高のキャプテンです」

 この日の試合は最終的に、延長の末、勝ち越された。しかし、悔いはない。九回の同点劇は、みんなでつかみ取ったものだ。

 主将は、自信をもって言える。「力を出し切って、全員で粘りきった。野球を楽しめたのが一番です」(奈良美里)