識者「他の電力会社にも影響」東電株主訴訟、原告勝訴の意味合いとは
東京電力福島第一原発事故をめぐる株主代表訴訟で、東京地裁は13日、被告の旧経営陣に賠償を命じた。この判決がもつ意味や経営者の安全への向き合い方などについて、会社法や企業統治に詳しい青山学院大学法学部教授の浜辺陽一郎弁護士に尋ねた。
――今回の判決をどう捉えますか?
「経営者を甘えさせるような内容ですと、今後の電力会社の経営に対する緊張感が、失われてしまう恐れがあります。もちろん萎縮を招いてはいけませんが、その一部にせよ、経営者の責任を厳しく問いただした判決として高く評価したいと思います」
「結局、原告の勝訴でも敗訴でも、どちらに転んでもある種の『程度の問題』という部分がありました。津波の規模の予見可能性にしても、その結果を避けられたか、という結果回避可能性にしてもです。裁判官のさじ加減というところでしょうか」
――経営者の責任を厳しく問いただした判決というのは、どういうことですか?
「今回問題とされたのは、万が一のことがあったら極めて大きなインパクトを及ぼす原子力発電事業のあり方でした。非常に危険なものを取り扱っている以上は、十分な備えがあってしかるべきです。ややもすると、被告側の弁明にはその点をあまりに軽くみているのではないかという疑問を感じていました」
記事の後半で浜辺教授は、企業自身が国任せにせず安全基準を考える責任、経営者が高額の報酬と引き換えに負っている「義務」などについて語っています。
「やはり、これだけの大事故…