苦しくたって「明日も勝つばい!」 らしさを忘れぬ阪神・梅野

高橋健人
[PR]

(14日、プロ野球セ・リーグ 阪神タイガース3―0読売ジャイアンツ)

 やっぱり頼りになる。甲子園阪神ファンに、梅野隆太郎は一振りでそう思わせた。

 四回2死。巨人の先発シューメーカーの3球目、甘く入った146キロを見逃さない。打球はぐんぐん伸びて右翼席へ。二塁へ走りながら右拳を握った。

 無死一塁でロハスが見逃し三振に倒れ、一塁走者山本泰寛が二盗に失敗して迎えた打席だった。「少し流れが(巨人に)傾きかけていた場面。自分のスイングをしようと心がけた」。嫌なムードを断ち切った。

 捕手としてのリードも巧みだった。中11日と間隔が空いた伊藤将司に、低めに集める配球を徹底。「らしさを引き出そう」との意図だったという。4安打の完封勝利に導いた。

 昨季は正捕手として130試合に出場し、2年連続のリーグ2位に貢献。国内フリーエージェント権を取得したが「率直にこの阪神タイガースで優勝したい」と残留した。「梅ちゃんの残留が一番の補強」との声もファンから上がった。

 だが、今季は坂本誠志郎らと先発マスクを争う状況が続き前日まで出場52試合、打率1割8分6厘。期する思いを胸に臨んだはずのシーズンで、不振に悩んでいた。

 大山悠輔、坂本が新型コロナ陽性者と濃厚接触した疑いで離脱するなどチーム状況は決してよくない。それでも梅野は梅野らしく、ファンの前で明るさを忘れない。ヒーローインタビューで「『明日も勝つばい』で締めましょう!」。自らとチームを鼓舞するようにも映った。(高橋健人)

 矢野監督(神) 完封勝利の伊藤将に「コントロールも球の切れも申し分なかった。隆(梅野)もいいリードをしてくれた。完璧な投球だった」。

 伊藤将(神) 今季2度目の完封で自身5連勝。「中11日と前回登板から空いたので、いい状態だった」

 原監督(巨) 2試合連続の零封負け。今季初めて勝率5割を下回る。「まずは攻撃陣が(しっかり)しないといけませんね。つながってこないとね」