昨夏の失策の悔しさを胸に 帝塚山・楠本君、5年ぶり夏勝利に笑顔

浅田朋範
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(15日、高校野球奈良大会 帝塚山14ー4高円・高円芸術・国際)

 帝塚山は夏の奈良大会で2017年以来、5年ぶりとなる勝利を手にした。

 「校歌を歌う夢がかないました。うれしかった」。帝塚山の楠本恒太主将(3年)は満面の笑みだった。

 4番の楠本は一回表無死一、三塁の好機で打席に立った。「今まで周りの部員にいろいろ言ってきた。ここは自分が決めないと」。盗塁で二、三塁に。外角のスライダーをライト前に運ぶと、2者が生還。「ベンチのみんなが喜んでいてうれしかった」

 悔しさを胸に臨んだ戦いだった。ショートとして出場した昨夏の奈良大会では、初戦の2回戦で大和広陵に1―12で敗退。楠本は「自分のエラーからビッグイニングにつながってしまった」と悔いを残していた。試合後、当時の主将記藤陽亘(はるのぶ)さんから「来年は頑張って校歌を歌えよ」という言葉とともに、バッティンググローブを贈られた。この日もそれをつけて戦った。

 新チームになってまもなく、学業に専念したいと、同期の約半数が部を去った。それに伴い、ショートから捕手になった。最初は戸惑いもあったが、今では配球を考えるのも楽しく、打撃にも生かせるようになった。捕手として、盗塁させないという目標を掲げ、この日は三回に素早い送球で二つの盗塁を防いだ。

 自らの悔しさと先輩の思いを背負って臨んだ夏の一戦。記藤さんに「やったぜ」と伝えたい。(浅田朋範)