熱海の土石流「盛り土の下から出た大量の水が引き金か」 静岡大など

小山裕一
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 昨年7月に静岡県熱海市で起きた土石流について、起点とされる盛り土の下にあった地層のうち、以前の地滑り跡から大量の水がわき出て盛り土崩落の引き金になったとみられるとの調査結果を、公益財団法人深田地質研究所(東京都)や静岡大などの研究グループが15日発表した。研究グループは「原因究明には地盤の成り立ちの調査が不可欠だ」としている。

 深田地質研究所の千木良雅弘理事長(地質学=京大名誉教授)らは盛り土崩落地の地質のほか、炭素14の存在比率で年代を測定する方法で過去の地滑りの時期を調べた。その結果、盛り土の下にあった地層の2カ所に、約8千年前と約700年前に地滑りを起こした形跡を確認。崩落後の地形の分析や県による水量観測結果から、昨年7月の豪雨でこれら2カ所の地滑り跡から大量の地下水が出てきて、盛り土崩落の引き金になったと推定した。

 県の検証委員会も、盛り土の下部から地下水を吸水した結果、軟化した土が滑ったと推定している。

 また、千木良理事長らは過去の航空写真を分析。盛り土があった箇所の地盤は、北西約900メートルに山頂がある岩戸山から流出した土石流がたまった扇状地で、1962年以前にも崩落した形跡があるとした。(小山裕一)