「打倒・聖光学院」目指した夏 小名浜海星が躍動、演じた互角の勝負
(17日、高校野球福島大会 聖光学院10―3小名浜海星)
「打倒聖光学院」。小名浜海星の選手たちは、昨秋と今春の福島県大会覇者を見据えていた。
二回表2死二塁。マウンドには聖光学院のエース佐山未来(3年)。香高佑斗(3年)は「後ろにつなごう」と2球目の直球を中前にはね返し、1点を先行した。チームは中盤まで互角の勝負を演じた。
小名浜海星は6月にあったいわき支部の大会で準優勝。大会後、選手たちは若林亨監督に「夏は聖光学院と試合がしたい」と意欲を伝えていた。抽選会では、1勝すれば聖光と戦えるブロックを引き当てた。
今大会、初戦の2回戦は延長十回サヨナラ勝ち。聖光との対戦が決まると、打撃陣は佐山を想定し、マシンをいつもより速い130キロ台に設定。投手の門井希咲(3年)は聖光打線を意識して投げ込んだ。
迎えた聖光戦。二回に先行すると、四回に香高、小野温心(はると)(3年)の連続適時打で一時は勝ち越す。先発門井希は120キロ台の直球と緩い変化球を駆使し、飛球の山を築いた。聖光の主将赤堀颯(3年)は「緩急をうまく使われ、捉えきれなかった」と言う。
終盤、小名浜海星は聖光打線を抑えきれず、八回コールド負け。だが、門井希は「(前半は)互角に戦え、自分たちはいいチームだと思った」と満足げ。
主将の渡辺啓太(3年)は試合後、聖光の選手たちに「ありがとう」と声を掛けた。「優勝し、甲子園に行ってほしい」と思った。赤堀は「負けた学校の思いも背負って戦いたい」。小名浜海星の思いは聖光に引き継がれた。(滝口信之)
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