沖縄復帰50年、節目の夏に「興南が」 高い総合力にたくましさ増す

酒瀬川亮介
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 (17日、高校野球沖縄大会決勝 興南7―1沖縄尚学)

 興南の背番号9、安座間(あざま)竜玖(りく)(3年)には予感があった。「決勝は自分だろうな」。前日の準決勝。同学年のエース生盛(せいもり)亜勇太(あゆた)が一回途中から延長十二回まで救援し、149球を投げていた。決勝の朝、先発を告げられても、安座間に驚きはない。

 五回まで毎回、先頭に安打を打たれた。調子は悪くとも、「絶対に優勝してやる」と粘った。ライバル校の打者の狙い球をうまく読み、アウトを重ねた。予定の五回を投げきった時点で5―1。主導権をがっちり握った状態で生盛に後を託した。

 新型コロナ感染の影響で今春の県大会は辞退した。実戦不足を補おうと梅雨の間、長靴を履いてノックを受けた。昨秋の県大会を制するなど、もともと総合力は高い。逆境のなか、創意工夫を重ね、たくましさを増した。

 12年前に春夏連覇を遂げた強豪は2018年の第100回大会を最後に甲子園から遠ざかった。本土復帰50年に向け、「興南が(沖縄の)リーダーシップをとるんだという目標を掲げてやってきた」と我喜屋優(まさる)監督。節目の夏、ひと暴れしそうな気配だ。(酒瀬川亮介)

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