中京大中京の主将が押し殺した弱音 チームまとまり「いい夏だった」
(17日、高校野球愛知大会3回戦、東浦8―1中京大中京)
中京大中京の1番打者・赤山泰斗主将(3年)は昨秋の愛知県大会までは4番だった。
今年3月中旬、打撃練習中に左手の有鉤骨(ゆうこうこつ)を骨折した。4月に手術をした後、リハビリで5月に復帰するまで2カ月間、まったく練習ができなかった。
精神的にかなりつらかったが、チームにも悪影響になると考えて、弱音はあまり吐きたくなかった。歯を食いしばって「夏に間に合わせれば良い」と言い聞かせた。
復帰後は1番を任された。4番打者としての役割ではなく、次打者につなぐように役割も変わった。
初戦の名経大市邨戦では、先発出場できなかった。この日が1番打者としての初めての打席。初球から積極的に振り、左翼へ二塁打を放った。
だが二回、東浦に同点に追いつかれた。その後は拮抗(きっこう)した展開が続いていたが、「ずっと向こうの流れだった。必死にベンチから声を出して、何とかして流れを変えようとした」と振り返る。
その後、六回、東浦に勝ち越され、七回には満塁本塁打を浴びるなどして、7回コールド負けを喫した。
高橋源一郎監督は「赤山を中心に夏の大会に向け、まとまりが強くなっていった。きょうの終盤もベンチの中でもぐっとまとまるところがあった」。
赤山主将はこの日、2打数1安打。「2年半、一緒にやってきて最後はこういう負け方したんですけど、スタンドにいる3年生も全員で勝ちに行こうとまとまってくれた。短かったですけど、本当にいい夏でした」とやりきった表情だった。
高橋源一郎監督の談話
東浦の投手にはなかなか振らせてもらえなかった。うちの継投では、2番目に投げた祝(昂輝(こうき))は2年生で、先輩に中京大中京の背番号を背負わせてもらい、あの場に立たせてもらったので、それを今後に生かしていかなくては。ちょっと向こうに流れがあるかなというところもあったが、これも野球。その中で何とか粘り強くいきたかった。
エースの沖野良流風(らるふ)投手(3年)の談話
今日は先発ではなくて3番手だったので、状況に応じて気持ちの準備をした。後輩の祝が本塁打を打たれた後に登板して、まだ全然勝てると思っていた。自分の投球で最後は2点を失い、コールド負けしたのが一番悔しい。(小原智恵、井上昇)
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