ノーサイン野球でチーム一変 何でも相談する愛知、スクイズ決め快勝
(18日、高校野球愛知大会 愛知8―1豊田)
一回裏1死、走者は三塁。打席に入った愛知の杉本与(あと)選手(3年)に迷いはなかった。「1点ずつ確実にいこう」。2球目を一塁前に転がし、スクイズを決めて先制点を挙げた。チームは流れに乗り、7回コールド勝ちにつながった。
スクイズという選択は、選手たちが相談して決めた。杉本選手は「一発で決められて良かった」。
愛知は、飛田陵佑監督の提案で、昨秋の県大会後からノーサイン野球に徹している。この試合で何回か仕掛けたヒットエンドランは、選手たちの作戦だ。「前日の練習のときに『点を取れるときに取ろう』とチームで話し合った。自分たちで考え、選択するという野球の理想的な形を、選手たちが理解して取った貴重な先制点」と評価する。
ノーサイン野球で、チームはどう変わったのか。羽田有輝主将(3年)は「自分たちで考え、行動に移すことで責任感が生まれ、一体感が高まった」と話す。「ミスをしても、選手同士で話し合い、試合中でも修正していく力が身についた」
飛田監督は「ミーティングでも、羽田主将や自見直哉マネジャーが、自分の言いたいことを先に話してくれる。選手たちが、ちょっとだけ頼もしい存在に思えてきた」と笑顔で話した。(鈴木裕)