「子どもを残し車離れた」3割が経験 暑い日は15分で危険レベルに
車内に子どもだけを残して車を離れた経験があるドライバーは約3割――。自動車部品などを扱う専門商社の調査で、こんな実態が明らかになりました。
車内に残された子どもが熱中症で亡くなる事故は後を絶ちません。ストレスなどが原因で、通常は考えられないような「物忘れ」をすることは誰にでも起きうるという指摘もあります。「意識」だけに頼らず、子どもの命を守るにはどうしたらいいのでしょうか。
「誰に起きても不思議ではない」
調査したのは三洋貿易(東京)。今年5月に子どもや孫を乗せた経験がある全国の20~60歳代を対象にオンラインで実施し、2652人の回答を得た。
過去に子どもだけを残して車を離れたと回答したのは全体の約3割にあたる768人。そのうち18人は、子どもが乗っていることを忘れて車を離れていた。
同社の太田直樹さんは「習慣と異なる行動を取ったり、精神的に大きなストレスがかかっていたりする状態だと、通常では考えられないような『物忘れ』をするという専門家の指摘もある。自分は放置しないと考える人は多いが、誰に起きても不思議ではない」と話す。
子どもの車内での熱中症事故に詳しい小児科医の坂本昌彦さんも、「子どもを忘れるなんてあり得ない、と思いがちだが、大切な子どもだからこそ『忘れることもあるかもしれない』という気持ちで、対策を考えていくことが大切」と指摘する。
例えば、いつもは車で会社に直行するのに、珍しく保育園に送る役割を担っていた場合など、「+α」の部分にあたる送迎のことは、頭から抜けてしまいやすい。また、仕事のことで考え事や悩みを抱えていたり、過剰なストレスがかかっていたりといった状況では、「やるべきこと」が抜けてしまうリスクが高くなるという。
わずか15分で危険レベルに
日本自動車連盟(JAF)の実験では、気温35度の場合、車内の暑さ指数はエアコン停止からわずか15分で危険レベルに達する。子どもを置き去りにした768人に、車内に子どもを残した1回あたりの平均時間を尋ねると、全体の6割超は「5分未満」だった。ただ、子どもの存在を「認識していた人」に比べて、「認識していなかった人」は放置時間が長い傾向にあり、15分以上と回答した人が約4割に達した。768人のうち28人は、子どもにめまいや顔のほてり、頭痛や吐き気といった体調の変化があったと回答している。
車内に取り残された子どもが熱中症やその疑いで亡くなる事故は、毎年のように起きている。福岡県内の保育園でも昨夏、送迎バスに取り残された男児が熱中症で亡くなる痛ましい事故が起きた。
米国では32年間に千人以上が犠牲に
子どもの車内置き去りは海外…
- 【視点】
冒頭にあるこの問いかけが、非常に響きました。 《「意識」だけに頼らず、子どもの命を守るにはどうしたらいいのでしょうか》 私も働きながらの子育てを始めて、そろそろ6年目に突入します。 それなのに、在宅で仕事をしているときに外から赤ち