第6回あまりにむごい「はだしのゲン」 手伝った妻が知ったそれ以上の現実

有料会員記事核といのちを考える

聞き手 武田肇
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はだしのゲン」作者の妻 中沢ミサヨさん(79)

 連日伝えられるロシアのウクライナ侵攻のニュースに大変なショックを受けています。

 漫画「はだしのゲン」は英語、スペイン語、アラビア語など、24カ国語に翻訳されているのですが、実は全10巻の翻訳が最初に完成したのはロシア語版です。20年前に石川県の翻訳グループが手がけてくれました。

 ゲンを読んだ(ロシアの)子どもの思いと、指導者の考えはまったく違うと信じていますが、原爆や戦争の恐ろしさが世界に伝わっていない現実を突きつけられた気がしました。

 ゲンは広島で被爆し、父と姉、弟、妹を亡くした夫、中沢啓治(1939~2012年)が自身をモデルにして描いた作品です。

今も読み継がれる中沢啓治さんの漫画「はだしのゲン」。むごい絵を見て連載打ち切りを心配したという妻のミサヨさんに啓治さんはこう言ったそうです。「これでもセーブして描いているんだ」

 73年、週刊少年ジャンプ集英社)で連載が始まり、掲載誌を変えながら、85年に完結しました。

 全10巻の単行本は670万部超のロングセラーになり、学級文庫に並んでいるのを覚えておられる方もいると思います。

優しくて、けなげで、でも優等生じゃない

 私は絵の勉強をしたことはまったくありませんが、縁あって漫画家と結婚したことで、無からいきいきとしたキャラクターが生まれる漫画の面白さに魅了されました。夫がいないとき、こっそり白土三平の漫画をペンタッチで模写していました。

 そんなこともあって「ゲン」…

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