5億円を「0円」に 介護保険料の天引きミス、4万9千人に納付依頼

太田原奈都乃
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 山口県宇部市は19日、事務処理のミスが原因で、計5億3921万円の介護保険料を年金からの天引きで徴収できなくなったと発表した。市は対象の約4万9千人に納付書を送り、自主的な納付を依頼する。篠崎圭二市長は記者会見で「多大なご迷惑をおかけして心からおわびする」と謝罪した。

 市によると、8月支給の年金から天引きする介護保険料の特別徴収分について、6月にシステム上でデータを作成。日本年金機構に伝えたが、本来の「8月」と異なる月を誤って設定し、徴収額がすべて「0円」の算定となったが気付かなかった。同機構からの連絡で7月13日に発覚したが、8月徴収分の修正は間に合わないという。

 市は対象者に納付書を送り、8月末までに金融機関などでの納付を依頼するが、担当課は「これまで年金からの天引きだったので、自分での納付に不慣れな方が多いかもしれない。根気よく周知とお願いを繰り返していく」と話す。市は、この問題を悪用した還付金詐欺への注意も呼びかけている。(太田原奈都乃)

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