パンチパーマの男が育てる「ヤンキーピーチ」 甘みも髪形もビシッと
高田純一
農園に夏の強い日差しが降り注いでいるのに帽子はかぶらない。パンチパーマが崩れるからだ。「見た目よりもきちょうめんなんです」。家業の農園を受け継いで11年、がむしゃらに桃への情熱を注いできた。男が丹精込めてつくった桃についた名前は「ヤンキーピーチ」だった。
和歌山県かつらぎ町にある約4千平方メートルの畑に桃の木が広がる。桃は一つ一つ二重の袋に包まれていた。「このごっつい桃を見てほしい」とみけんにしわを寄せて話すのは農園を営む西岡宏倫さん(48)。ポロシャツにニッカボッカ、踏ん張りがきくと地下足袋をはくのが作業スタイル。
桃を食べさせてもらった。あっさりしていると思ったら、急に甘みが口の中に広がった。
「やんちゃはしていましたが…