第5回「君は新型兵器をつくる先兵だ」英才教育の中学生、原爆投下で悟った

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伊藤和行
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 1932年6月、元財務相の藤井裕久さんは、東京・本郷で開業医の次男として生まれた。

 中学1年のときに、優秀な子どもを選抜した英才教育「特別科学教育」を受けることが決まった。実施校の一つ、金沢高等師範学校に集団疎開することになった。

連載「ギフテッド 才能の光と影」(全6回)はこちら

太平洋戦争末期、優秀な子を選抜して英才教育を受けさせた「特別科学教育」。戦後に廃止され、その存在はあまり知られていません。のちに著名な経済人や映画監督になった人物も受けた「エリート教育」の実像に迫ります。

 出発直前、大空襲で自宅の隣家は焼け、亡くなった同級生もいた。

 「選ばれた自分たちだけが教育を受けられることに後ろめたさを感じながらの疎開だった」

 最初の特別講義で、日本の原子核物理学の父といわれた仁科芳雄博士に言われた。

 「君たちは新型兵器をつくる先兵だ」

「このことだったのか」気づいた8月

 当時は何のことか分からなか…

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