第6回「英才教育すべきでない」 有識者会議座長に聞く、ギフテッドの支援
文部科学省は昨年6月、特異な才能がある子への支援策を検討する有識者会議を立ち上げました。高い能力に恵まれる一方、繊細さや強いこだわりといった個性を併せ持つことがあり、学校生活になじむのが難しい子もいます。年内の提言をめざし、議論のとりまとめにあたっている座長の岩永雅也・放送大学長(教育社会学)に、話を聴きました。
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――有識者会議が始まった経緯を教えてください。
才能があるために学校になじめない子がいます。授業をつまらなく感じ、ずっと外を見ている子。不登校になる子。先生の中には、それを学習障害があるためだとみなしてしまう人も少なくありません。
一方、学校で問題なく過ごしていても、周りと折り合いをつけるために才能を抑え込んでいる子がいるかもしれない。才能が見いだされなければ、そうした子どもたちが不幸な人生を歩むかもしれません。そうならないよう、個の能力に応じた教育を提供するために、行政や先生がどう支援していくべきかを考えることになりました。
連載「ギフテッド 才能の光と影」はこちら
「ギフテッド」の子どもたちを、行政や学校はどう支援すればいいのか。岩永氏は「英才教育は行うべきではない」と言います。なぜなのでしょうか。
――国が才能教育について議論…
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