74年前に植えた苗、やっと咲いた 高知県四万十市で開いた幻の花

笠原雅俊
[PR]

 半世紀に一度だけ咲くとされる神秘の花「リュウゼツラン」が、清流・四万十川を望む高知県四万十市の民家で開花した。74年前に植えられた苗が、長い歳月を越えて黄色い花を一気に咲かせた。

 花が開いたのは同市西土佐半家の会社員、川上太一さん(73)の庭先。妻の由美子さん(70)が今年5月6日、茎が伸びていることに気づいた。高さはすでに1メートルほどあった。

 調べると、「50~60年に一度だけ咲く幻の花」とわかり、毎日のようにスマホで写真を撮って、成長を記録。1日に10センチほどのペースでぐんぐん伸び、今では約10メートルの高さになった。今月15日には茎から伸びた枝先に黄色い花が密集して咲いた。四万十川からの涼しい風に揺れている。

 リュウゼツランは、メキシコ原産で30~50年に一度しか花を咲かせないと言われる。日本では大きな葉が竜の舌に似ていることから、「竜舌蘭」と名付けられたとされる。一生に一度だけ花を咲かせてその後、枯れてしまう。

 川上さんの姉で高知市在住の宮本栄枝さん(85)が、川上さんが生まれた年の1948年にリュウゼツランの苗を植えたという。小学6年生だった栄枝さんは「いつ咲くかな」とずっと開花を待ちわびてきた。

 川上さんは「生きている間に花が開いて奇跡だ」と喜ぶ。由美子さんは「74年もずっとエネルギーをためて一気に爆発して咲いてくれた。こんな瞬間を見られて生きてきたかいがありました」とうれしそう。夫妻は、姉の栄枝さんに咲いた花を早く見てもらおうと計画している。孫の修平君(9)と晄良君(5)も「大きなトウモロコシみたい」と花を見上げる。

 リュウゼツランに詳しいモネの庭マルモッタン(北川村)の庭師の川上裕さんは、「民家でこれだけの見事なリュウゼツランが開花するのは珍しい。条件がそろって気持ちよく成長したのでしょう。リュウゼツランの一生に一度の晴れ姿を見た人はきっと幸せになれますよ」と話している。(笠原雅俊)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

【期間中何度でも15%OFF】朝日新聞モールクーポンプレゼント