「さすが4番打者」の打球、でも後ろに守っていれば… 高嶋仁の目

智弁和歌山・前監督
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智弁和歌山前監督 高嶋仁の目

(20日、高校野球和歌山大会 和歌山工3―2橋本)

 この日は1回戦に勝利したチームと初戦を迎えるチームの対戦がありました。夏の大会の最初のゲームはどうしても硬くなるもので、初戦を快勝した橋本と対戦した和歌山工も前半は少し硬さを感じました。

 先発した両投手とも速球は120キロ台ですが制球も良く、打線は変化球を打ちあぐねていました。

 初戦は1安打完封だった橋本の上垣内大賀君(3年)は再三のピンチも1失点で切り抜けて試合をつくっていましたが八回、和歌山工の久保巴基君(2年)に逆転打を浴びました。長打を含め2安打していた4番打者だけに、「(四球で)歩かせてもいい」という気持ちで際どいコースで勝負すれば結果は違っていたかも知れません。

 自身のバント処理のミスからピンチをつくってしまい「自分でこの打者を抑えてやろう」という心理が、甘い球になってしまったように思います。バッテリーで間をとって相談してもよかったと思います。

 またこのとき、外野の守備位置が浅かったのも気になりました。1点差の2死一、三塁。ヒットが出れば1点は仕方がない場面。逆転となる一塁走者の生還を阻止するために、もう3、4メートル後ろに守るべきでした。久保君の二塁打はうまくミートして伸びていった「さすが4番打者」という打球でしたが、後ろに守っていたら外野フライに終わっていたでしょう。

 場面、場面でしっかり考える野球をしないと上位にはいけません。(智弁和歌山・前監督)

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