身長187cm、極めた横手投げ 府中西のエース高山君「後悔ない」

狩野浩平
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 20日、高校野球西東京大会3回戦、府中西4―8国分寺

 4点差を追いつかれて迎えた七回、さらに勝ち越され、府中西の内野手がマウンドに集まった。その中心に、周囲より頭一つ飛び抜けた選手がいる。身長187センチ、体重63キロ。横手投げのエース高山湧智(わくと)(3年)だ。

 「最後の夏だ。楽しんで投げきろう」。気持ちを切り替え、打者と向き合った。

 中学では165センチほどだったが、高校に入って急に身長が伸びた。中学時代から続けてきた横手投げでコントロールよくボールを投げ込み、打たせてとる投球が持ち味だ。

 一般的に、高身長選手は上手投げで高低差や球速を生かす投球をすることが多い。だが高山の球速は最速約115キロ。努力をしても体重も筋肉もつきにくい身体で、むしろ長い手足を横に使った方が「ボールが面白い動きをする」(坂本瑞樹監督)として、横手投げを極めてきた。

 身長が伸びてやりづらいこともあった。投球の前に腕を後ろに引く動きが大きくなり、制球が乱れ、昨秋はストライクが入らなくなった。「自分が試合を壊してしまった」。周囲のアドバイスを受けながらフォームを見直し、夏には不動のエースとなった。

 七回は4点の勝ち越しを許したが、坂本監督は「うちのエースは高山だ。最後まで行く」。八回を無失点に抑えて最終回の攻撃に望みをつないだが、追いつけなかった。

 後輩たちが泣きじゃくる中、高山は淡々とグラウンドから立ち去った。「3年間やってきたこと、自分が持てる力はすべてここで出し切った。後悔はありません」=S&D昭島(狩野浩平)