フリーランスが新たな雇用の調整弁? 企業はコスト減「偽装委託だ」

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片田貴也
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 いま、雇われないで働く人が増えています。フリーランス(個人事業主)として、企業と業務委託契約を結ぶ働き方です。

 働く側にとっては、働く時間や場所を自由に選べるなどの利点があるとされていますが、実態としては雇われている人と変わらないケースも。

 リーマン・ショック後、非正規労働者の立場の不安定さが問題になり、保護する動きが広がりました。そのかわりに、企業が新たな「雇用の調整弁」として業務委託に切り替えているのではないか――。そんな指摘もあります。

AIが管理するアマゾン配送「限界だ」

 「AI(人工知能)で仕事が管理され、荷物量が増えた。是正されないと、働きながら死んでしまうかもしれない」

 6月13日、アマゾン配達員らで作る「アマゾン配達員組合」横須賀支部の結成の記者会見で、支部長の男性はこう語った。

 運転手らは、日本法人「アマゾンジャパン」が委託した運送会社やその下請け会社と業務委託契約を結んで働く。だが、実態としては、アプリを通じて配達先や労働時間を管理されており、「労働者」に近い、というのが主張の内容だ。

 会見に同席した菅俊治弁護士は、「個人事業主としての業務委託契約は『偽装』。労働者として契約するべきだ」と指摘した。

 組合設立に関わった50代の男性ドライバーは、個人事業主として、2次下請けの運送会社と業務委託を結ぶ。

 普段の働き方はこうだ。

記事の後半では、物流業界以外でも広がるフリーランス活用の背景や課題などを、専門家らへの取材を通して考えます。

 朝8時、配送拠点に出勤。軽…

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    仲村和代
    (朝日新聞デジタル機動報道部次長)
    2022年7月26日17時15分 投稿
    【視点】

     「派遣切り」という言葉を朝日新聞のデータベースで調べると、最初に登場するのが2008年11月。リーマンショックをきっかけにした世界的不況で、製造業の派遣労働者が突然の解雇や雇い止めに合い、社会問題化していました。その後、十分とはいえないも