友だちも知らない「ほんとうのヒーロー」 母は横断歩道で見守った

有料会員記事

板倉大地
[PR]

 オオカミのマスクをかぶり、忍者の服をまとった少年が通学路に立った。目の前には横断歩道を渡ろうとする小学生。車が止まる度に「横断中」の旗を上げ、渡り終えるのをじっと待つ。不思議そうにマスクをのぞき込む子たちに、少年は時折うなずいて応えた。

 横断歩道の向こうで、その少年の姿を母の小寺里沙さん(34)は、はらはらしながら見守っていた。「緊張しているようだけど、口は出さないでおこう」。今年3月のことだ。

 少年は、小寺主真(かずま)くん(9)。福岡市中央区の舞鶴小・中学校に通う小学3年生だ。初対面の人の前では、里沙さんの陰に隠れてしまうほど恥ずかしがり屋だった。

 3歳のころ、里沙さんは離婚…

この記事は有料会員記事です。残り996文字有料会員になると続きをお読みいただけます。