引退なき警察犬 最期の1年、老いる相棒を前に鑑識課員は決意した

有料記事

板倉大地
【動画】警察犬の引退 警察官との深い絆
[PR]

 海辺をゆっくりと歩く1匹の黒いシェパード。クンクンとにおいをかぎながら、波打ち際や草むらを行ったり来たり。パソコンの画面に映しだされるその姿をいとおしそうに見つめるのは、福岡県志免町の古賀秀文さん(64)。こうして、かつての愛犬「ジャック」と散歩に出かけた時の動画を見ては、懐かしむ。

 古賀さんにとって、ジャックは単なる飼い犬ではなく、長年、仕事での苦楽をともにした「仲間」だった。出会ったのは2003年ごろのこと。職場にやってきたジャックは、まだ生後3カ月。これから、訓練の日々が始まろうとしていた。

 当時の古賀さんは、福岡県警の鑑識課員。県警直轄の警察犬として採用されたジャックの指導役についた。捜索の訓練も公舎で仮眠を取るときも。多くの時間を一緒に過ごした。

 まじめできちょうめんな性格のジャックは、警察犬としてみるみる成長していった。やがて古賀さんは異動で鑑識課を離れたが、その間もジャックは多くの現場を経験し、有能な「ベテラン」犬の仲間入りをした。

 だが、10歳を迎える頃には…

この記事は有料記事です。残り2109文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません。

  • commentatorHeader
    太田匡彦
    (朝日新聞記者=ペット、動物)
    2022年7月27日19時51分 投稿
    【視点】

     警察犬というと警察官が飼育、訓練しているイメージが強いですが、実は全国の約半数の県警が「『嘱託警察犬』のみによっている」(警察庁)。嘱託警察犬とは、普段は一般の家庭や民間の警察犬訓練所で飼われていて、警察の要請に応じて出動する警察犬です。