戦後の「聖像」に挑んだ安倍元首相 伝記執筆者が見る遺産とは

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ワシントン=中井大助
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 安倍晋三元首相の殺害は、世界各国にも大きな衝撃を与えた。米国では、安倍氏が残した功績を評価するイベントも相次ぐ。海外から、安倍氏はどのように見られていたのか。2020年に英語で安倍氏の伝記「The Iconoclast」を出版し、米シンクタンクの上級研究員として日本政治について発信し続けているトバイアス・ハリス氏に聞いた。

――安倍元首相の殺害を受けての、欧米の反応をどのように見ていますか

 「これほど、世界各国のリーダーから追悼のメッセージが寄せられているということは大変に興味深いです。報道の多くも、海外からの追悼や反応に割かれています。安倍氏がキャリアの最後の数年間で、いかに外交に力を入れ、海外の要人と会い続けたのかが反映されているのだと思います」

 「安倍氏の外交は、世界が日本をどのように見るのかも変えました。例えば、14年にロシアがウクライナのクリミア半島を併合した際は、日本がどのように行動するのか、世界ではあまり注目されませんでした。しかし、今回のロシアの侵攻では世界も日本の行動に期待を寄せ、日本もその期待に応える形で動いています」

「日本のニクソン」

 ――欧米では安倍氏について「日本社会に分断をもたらした」という評価も見受けられます

 「歴史問題などをめぐって…

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    佐橋亮
    (東京大学東洋文化研究所准教授)
    2022年7月24日10時54分 投稿
    【視点】

    ここで注目したいのはハリスさんが伝記を記したことにもみられるように、安倍晋三氏が海外の研究者・作家にとって極めて興味深い人物であったことです。戦後日本の政治家で、同じように強い関心を持たれるのは吉田茂、佐藤栄作、中曽根康弘、小泉純一郎などで