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「なぜあの時期だったのか」 東京五輪から1年、医療関係者の思い

有料記事新型コロナウイルス

枝松佑樹 米田悠一郎 林義則
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 東京五輪から1年、大会指定病院の一つだった横浜労災病院横浜市港北区)は今も、新型コロナウイルス患者の対応に追われている。

 「第5波」に見舞われていた1年前、新型コロナ専用だった8階の22床は、半分が埋まっていた。

 コロナ患者だけでなく、熱中症や突然のけがで搬送される人が相次ぎ、1階のER(救急外来)では1日の受け入れが100人を超える日もあった。ベッドが足りず、時に受け入れを断った。

 「五輪を開催する意義はあったと思います。でもなぜあの時期だったのか、今も疑問です」

 救命救急センター長の中森知毅医師は、そう振り返る。

 大会会場から搬送されてきた関係者は数人で、病院に与えた影響は少なかった。無観客になったことで、会場に派遣する医師も、当初の想定の3分の1ほどで済んだ。

 ただ、新型コロナへの対応に、細心の治療が求められる五輪への備えが重なり、心身の負担が大きかったという。

自宅で200人以上が死亡

 病原性が強いデルタ株が流行した第5波では、働き盛りの世代にも重症者が多数出た。

 酸素の投与が必要なのに、病床や保健所の逼迫(ひっぱく)で入院がかなわない人が続出。第5波では、200人以上が自宅で亡くなった。

 五輪開幕の約2週間前には東京都緊急事態宣言が出て、大会期間中の8月2日には神奈川県にも広がった。

 8日に閉幕した後も、国内の新規感染者数は過去最多を連日更新した。都内の重症者も200人台に突入した。

 13日の記者会見で、小池百合子知事はこう呼びかけた。

 「旅行、帰省の計画を立てておられて、いざ行かんという方。延期、中止など、もう一度あらためてお考え下さい。お考え下さいじゃなくて、もうここは今年も申し訳ありませんけれどもあきらめていただきたい」

組織委「地域医療への影響は最小限度」

 大会組織委員会は、五輪とコロナをどう総括しているのか。

 去年7月からパラリンピック

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