報徳学園エースは三度、1点差に泣いた 「簡単にいきすぎた」2球目

大下美倫
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 (23日、高校野球兵庫大会 明石商2―1報徳学園)

 1点をめぐる厳しい試合になる。そう覚悟して臨んだ試合、延長十一回表2死二塁。報徳学園の榊原七斗投手(3年)は正念場を迎えた。

 昨秋の県大会で東洋大姫路に負けた時も、春の近畿大会準決勝で智弁和歌山に負けた時も1点差。だから、「1点」にはこだわってきた。抑える自信はあった。

 初球ファールからの2球目。「引っかけさせよう」と投げた外角のチェンジアップ。良いコースに投げた手応えはあったものの、相手がうまく合わせ、痛烈な打球が二塁手のグラブをはじく。二塁走者が一気に生還し、これが決勝点になった。

 焦りがあったのかもしれない。今思えば、ボールに外しても良かった場面かもしれない。「簡単にいきすぎました」。三振を取れていれば。自分をどうしようもなく責めたくなった。

 その裏の反撃は届かず、試合はそのまま終了。相手校の校歌が流れる中、前を向くことができないくらい涙があふれた。仲間への申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

 野球は続ける。この悔しさは次にぶつける。「一球の集中力、執念、執着心。気持ちで絶対に負けない」。強く誓った。(大下美倫)