被爆者・歴史研究家 森重昭さん(85)
原爆の悲劇は過去の話ではなく、現代まで続いています。戦争はずっと続きます。
ウクライナで大変な戦争が続いています。広島の爆心地から約2・5キロの己斐(こい)という町で実際にキノコ雲の下にいた自分の体験から言って、あれは何を意味しているかよくわかります。
みんな家族がいるんです
(人々が)次々と亡くなって葬られているけれど、みんな家族がいるんですから。僕が長年苦労して探し当てた被爆米兵の遺族のように。
広島で捕虜になっていた米兵12人は原爆で亡くなったんです。その家庭ではずっと戦争が続いていく。
だから、いかに戦争をやめさせるかということを、国連を中心に世界がやらなければなりません。でも、なかなかそれが実行されないから歯がゆい。
軽々しく戦争をするなということです。当事者だけではすまないし、その時だけでは終わりません。ずっと続くんです。
1954年に(米国が太平洋で実施した)水爆実験の被害を受けた第五福竜丸の大石又七(またしち)さんは、実験地から160キロも離れた地点にいたのに(被爆者の)僕と同じ目に遭っています。
これから戦争が起こったら、もう普通の人は生き残れないと思っています。
6年前、広島を訪れたオバマ米大統領に抱きしめられ、時の人となった森重昭さん。脳裏にはつねに、77年前のあの日の広島で遭遇した恐るべき光景がありました。
僕はたった1発の原爆にやら…