気づけなかった「心の闇」 加藤死刑囚の元同僚「僕は友達だと…」

有料記事

増山祐史、遠藤美波
[PR]

 2008年6月に東京・秋葉原で17人を殺傷したとして死刑が確定した加藤智大死刑囚(39)の刑が26日午前、執行された。犠牲になった男性の友人や、加藤死刑囚の元同僚が心中を明かした。

 「宮本、執行されたよ。この14年間長かったな」

 横浜市の会社員、秋山茂さん(44)は死刑の執行を知り、そう心の中でつぶやいた。専門学校で同級生だった宮本直樹さん(当時31)が犠牲となった。

 学生時代、共通の知人宅に集まっては人気ゲーム「実況パワフルプロ野球」などでよく遊んだ仲だった。宮本さんが立ち上げた会社で、一緒に働いたこともあった。

 事件当日、知人から電話があった。宮本さんが巻き込まれたと聞かされたが、「何かの間違いだろうと思っていた」。翌日、新聞に載る犠牲者の中に宮本さんの名前と顔写真を見つけ、手が震えた。葬儀で数年ぶりに対面した宮本さんは顔が青白く、変わり果てた姿だった。

 事件からしばらくは秋葉原に行くことができなかった。「宮本の死を受け入れきれなくて」。ここ数年は命日に花を供えに来られるようになったが、今もつらい記憶は残る。

 加藤死刑囚には直接、聞きたいことが山ほどあった。「なぜ無関係の人を殺したのか。今、どんな気持ちなんだ」。死刑が執行されたことで、「事件に区切りがついて忘れ去られてしまうのが怖い」とも話す。「この悲しみは一生消えないし、事件の背景に何があったのかを考え続けていきたい」

 加藤死刑囚の元同僚で会社員の大友秀逸(しゅういつ)さん(46)は弁護士を通じ、拘置所にいる加藤死刑囚に手紙や本を差し入れてきた。

 だが、返事が来たことは一度もない。「もうそのやりとりすら終わってしまう。僕は友達だと思っていたのに、なんで事件を起こす前に相談してくれなかったのか。その答えが聞きたかった」

 事件の3年ほど前までの約3…

この記事は有料記事です。残り330文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
【10/18まで】有料記事読み放題のスタンダードコースが今なら2カ月間無料!