最後まで諦めないプレー、ユニホームの泥は勲章 近大福山・松尾主将

西本秀
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(26日、高校野球広島大会準決勝 盈進5―0近大福山)

 九回表2死。近大福山にとって最後の守備の場面で、捕手の松尾颯斗(はやと)君(3年)はファウルフライに食らいつこうと、バックネットに向かって滑り込んだ。

 「最後まであきらめない」。捕球は逃したものの、試合のたびに泥だらけになるユニホームは、主将としてチームを鼓舞してきた責任感を映す。九回裏のはじめ、円陣を組んだ仲間たちには、こう呼びかけた。「絶対に逆転するぞ」

 ただ、その意気込みが、この日は硬さにもなった。

 準々決勝までに16打数5安打4打点を稼いだ4番打者が、盈進の投手陣を前に不発に終わった。原則明監督は試合後、「オレが何とかしなきゃという思いが強く、少し力んでいたのかもしれない」と振り返った。

 昨年夏、選手たちの投票で主将に選ばれた。身長170センチ、体重87キロ。どっしりとした体格で、普段は笑顔を絶やさない。試合後、涙を流す投手や一塁手ら仲間たちの背中をさすってねぎらったあと、最後の最後に本人が泣き崩れた。

 対戦した盈進の捕手、奥信武憲君(3年)は、中学時代に同じ軟式チームでプレーした仲間だ。「明日はオレの分も打って、甲子園に行ってほしい」。涙ぐみながら笑った。西本秀