22年秋冬 パリ・オートクチュール 圧巻の手仕事 モードの実験場

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編集委員・高橋牧子
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 唯一無二の服とは何か? 多くのブランドが観客を入れたショー形式にし、コロナ禍前の状態にほぼ戻った2022年秋冬のパリ・オートクチュールコレクション。伝統的な手技の強調など、世界の富裕層に向けてオートクチュール本来の魅力を掘り下げる傾向が目立った。また同時に、再生素材の様々な利用など、「モードの実験場」としての役割も高めた。

 息をのむほど圧巻の手刺繡(ししゅう)のバリエーションを見せたのは、クリスチャン・ディオール。会場の壁に、ウクライナ出身の芸術家、アレシア・トロフィメンコによる「生命の木」を表した大きな刺繡のパネルが連なる。その前を、花や植物が一面に広がるような立体的な刺繡やパッチワークを施したドレスを着たモデルたちが凜(りん)として歩いた。

 素材は無地のコットンやクレープなどナチュラル感があり、刺繡やパフスリーブなどから東欧の民族衣装も思わせるデザイン。手仕事で作り出す生地と形、その緻密(ちみつ)な作業の裏にあるのは、様々な地域の文化や伝統へのオマージュか。「工房で素材や形を生み出すことは、私たちが生きる現実社会にも通じるものがあり、今日において人類であることを思い起こさせる」との言葉が配布資料にあった。

 刺繡などで手が込んでいても…

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