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病名は…? 診断難しい病気、ゲノム解析で 手探りの治療からの脱却

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瀬川茂子、編集委員・田村建二
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 原因不明で診断がつかない病気を最新の遺伝情報(ゲノム)の解析で突き止める取り組みが進んでいる。診断がつけば、検査や治療方針の変更につながる。検査の意義や限界を伝える体制整備が課題になっている。瀬川茂子、編集委員・田村建二

 大阪母子医療センターに入院した6カ月の赤ちゃんは、母乳を飲む力が弱くて体重が増えず、皮膚のかぶれなどの症状があった。

 肝臓の働きが悪化していて、肝臓でできるたんぱく質を詳しく調べ、肝臓や皮膚の一部をとって顕微鏡で検査するなどしたが、原因がわからない。悪化すると生命にかかわりかねない状態だった。

 両親はゲノム解析という検査を受けることにした。赤ちゃんと両親の血液から遺伝情報を調べる検査だ。

 その結果、赤ちゃんは特定の遺伝子が働かないため、粘りけが強い分泌液で消化管や気道が詰まりやすくなる病気だとわかった。根本的な治療法はないが、原因が明らかになったことで、消化を助ける薬などを使い、体重が増えた。肝臓の働きも改善した。

 新生児集中治療室(NICU)に入院する赤ちゃんの1割は、患者数が少ないまれな病気とされる。

 症状を訴えることができず、急に悪化することもあるため、迅速な診断が必要だが、熟練した医師がさまざまな検査を繰り返しても診断がつかないことがある。

 難病には遺伝子の変異がかかわることが多いため、原因究明の方法として注目されているのがゲノム解析だ。野崎昌俊・新生児科副部長は「原因がわかれば、手探りの治療ではなく、赤ちゃんにとって最善の治療方針を考えることができる」と話す。

 ゲノム解析は一般的な検査ではなく、全国の新生児集中治療室が参加する研究として実施された。

治療法の開発に結びついた例も

 この研究の前から取り組まれ…

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