第4回ビッグテックの弊害、情報は誰のもの? 前公取委員長が示す打開策

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杉山歩
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 米グーグルやアマゾンを始めとする「ビッグテック」は便利なサービスを次々と生み出し、ビジネスの規模を拡大し続けてきた。市場の寡占化の弊害も指摘されるなか、国としてどう向き合うべきかを前公正取引委員長の杉本和行氏(71)に聞いた。

 ――ビッグテックが巨大化した理由を、どのように捉えていますか。

 人々の潜在的な需要を満たすような革新的な技術を出して、満足度を高めたことが一番の理由でしょう。(デジタル空間でのサービスは)費用をかけずに規模を拡大することが容易で、検索やSNS、ECといった分野で独占化、寡占化が進みました。その結果、弊害も目立つようになってきました。

 (米大統領選トランプ前大統領の当選に向けた政治広告を流した)ケンブリッジ・アナリティカ事件では、フェイスブックの個人情報が不正に政治的に利用されたことがありました。(ECサイトで)契約条件を一方的に変えるなど、出店者に不利益を与えるような行為もありました。こうした弊害にどう対処するかは、世界的な課題になっています。

「ビッグテック」と呼ばれる巨大IT企業は、権力を拡大し続けます。そのスピードに世界は追いつけるのか。記事後半では規制をめぐる各国の動きを紹介します。

追いつかない法規制

 ――規制はどのように変化していますか。

 独占禁止法は基本的に事後規…

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