第2回「実名ありえぬ」FBに否定的だった日本 第1号社員が見る日米の差
世界最大のSNSであるフェイスブック(FB)が日本でサービスを開始したのは2008年。その後数年は実名を登録することへの抵抗感が強く、日本での利用者はごくわずかにとどまっていたという。その後、2600万人を超えるまでに伸びた転機はなんだったのか。10年に日本法人の第1号社員になった児玉太郎さん(45)に話を聞いた。
――どんな経緯で第1号社員になったのですか。
それまではヤフーに10年間勤務し、メタバースやSNSの新しいサービスの研究や開発をしていました。09年ごろに世界展開を検討していたFB(現メタ)社の幹部が来日し、ヤフーにも訪れたことがきっかけで一緒に食事に行く関係になりました。
「ビッグテック」と呼ばれる巨大IT企業は、権力を拡大し続けます。2008年に日本でサービスを始めたFB。記事後半では、当初冷ややかだった日本で、サービスが受け入れられていった経緯を聞きます。
あるとき、「サンフランシスコに遊びに来ないか」と。空港でリムジンに出迎えられ、宿泊先はスイートルーム。創業者のマーク・ザッカーバーグ氏にも会いました。私を日本で最初の社員にするかどうかの面接だったのです。
FBに入った当初の肩書は「カントリーグロースマネジャー」。ただ、社員は私だけで、実質的な日本代表でした。
「実名はあり得ない」日本で抵抗があったFB
――日本語版のFBのサービス自体は08年から始まっていました。当時は若者に人気の「ミクシィ」もありましたね。
私が入社した頃は日本人でF…
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